志方町に本店のある大浦ミートさん。稲美町のにじいろふぁ~みん店に続き、2018年にはイオン加古川店にも出店し、加古川市民にはおなじみのお肉屋さんです。
今回は大浦ミート本店にお邪魔して、社長の大浦達也さんにお話を伺いました。
かこがわノート初めての取材で緊張しましたが、気さくにたくさん話していただいて、楽しい取材となりました。
取材日:2020年1月21日 聞き手:かこがわノート編集部まさ(佐藤正巳)
大浦ミートの人気商品を教えてください!
――大浦ミートさんで一番人気の商品は何になりますか?
「人気のお肉はハラミ。ハラミがダントツの人気です、ウチ。ハラミ、タン、ホルモン、この三種の神器が特にバーベキューにむちゃくちゃ需要あるんで」
「ウチの店自体もバーベキューシーズンに特に強いですね」
――これはぜひ試してほしい、これ食べてほしいなあという商品はありますか?
「けっこうね、加工品があるんで、それ試してほしいですね。ハンバーグ、コロッケ、ミンチカツ」
「あ! それと油かす! 油かすは人気商品なんですよ。たぶんあんまり置いてないから。お好み焼き、焼きそばに」
――天かすみたいな感じですか?
「天かすよりもっとメインになれる。1ヶ月くらい日持ちします」
――かこがわノートの読者さんは小さなお子さんがいる方も多いんですが、そういう家庭に食べてほしい商品はありますか?
「コロッケ、ハンバーグやね、やっぱり」
29の肉の日は2割引。駐車場がいっぱいに
――お店の混雑具合について教えてください。
「毎月29日の肉の日はめちゃくちゃ混雑してます。駐車場もいっぱいでガードマン出してます」
「季節的にはゴールデンウィーク、お盆、年末は凄いですね」
卸をやっているからこそのスケールメリットでリーズナブルに
――ほかのお肉屋さんとココが違うというポイントを教えてください。
「やっぱり新鮮。食肉センターが近所にあって、卸をやってる会社なんで自社工場があったりして。一般の人には分かりにくいけど、コストも全然違うんです」
――卸をしていることを消費者の方はあまり知らないかもしれませんね。
「卸やってるからスケールメリットがあるんです。これだけ買うから安くなる。卸のお客さん200軒くらい、それも全部信用があって、お客さんから紹介してもらう」
「ウチも昔出だしの頃はバンバン飛び入り営業しとったんやけど、今は一切しない」
――お肉仕入れるなら大浦ミートさん言ったらええよ、と?
「そうです。いまは誰かの紹介で言うてきてもらうようにしてます」
「HACCP(編集部注:ハサップ。国際的な食品衛生管理手法)も今手がけて、やっぱり安心安全いうのが当たり前やねんけど、ウチはそこにリーズナブルは入れとけ、と。それって企業努力やから」
「ええもん高く売るのは当たり前でしょ?」
――ええもんを安く売りたいんですね。
大浦ミートのこれまでとこれから
――株式会社大浦ミートの創業の経緯を教えてください。
「お父さんが42年前に自分のお店、ホルモン専門の小売店を始めたんが昭和53年6月。そこからちょっとずつ拡大していって」
――大浦社長に代わられるのが早かったと聞いていますが。
「僕29で親父が53。昔は貧乏なんごっつ覚えてて、小学校でマイホーム建てて、高校ぐらいになったら『お父さん、やったなあ!』みたいな。それを見とったから早く社長になりたくて」
「中学校くらいから経営したい、高校3年のときなんか早く働きたくて。そのときにいろんな仕事見てて、他にもやりたいことあったんやけど、親父に人参ぶらさげられて」
――人参?
「ちょうど僕18のときにトヨタのセルシオが販売されたんです。もう免許取る前くらいやったから、セルシオ欲しくて欲しくてしゃあなかった。そんときに『お父さんな、セルシオこおたんや』言われて」
「たぶん揺れとったんやろね。友達らがよう儲けとるやつおったから。そんなんしたいなあと思っとったら、お父さんが『いちばん儲かる仕事は肉屋や、ワシの跡を継ぐことや』って。そこでもう決心して、一生肉屋で行く!」
「高校出て、大阪に丁稚奉公行って、帰ってきて7年8年親父と一緒にやって代替わり。高校生のころから20代で社長なりたい、20代で社長なりたいってずっと言うてたから」
バーベキュー場をしたい
――これからやりたいことはありますか?
「やりたいことはよおけあるんです。でけへんかったら恥ずかしいけど、バーベキュー場やりたいって思いますね。大蔵海岸のZAZAZAのイメージです。手ぶらで来てバーベキューして帰ってもらう」
「バーベキューがめっちゃええ思うのが、絶対笑顔になるでしょ? 肉囲んで笑顔になったら、そこには多少なりとも幸せが生まれるから。老若男女みんな参加できるし。バーベキュー場やりたいですねえ」
幸せは思い出の数
「あとはやっぱり社員の幸せを追求したい、そう思いますね。幸せって何かって聞かれたら絶対みんな困ると思うんですよ」
「僕は幸せって思い出の数で決まる、と。だから仕事での思い出とプライベートでの思い出を作って欲しい、それはみんなにずっと言うてます」
「死ぬときにおれの人生なんもなかったなって死ぬのと、おれの人生あんときになにがあって、このときにこれがあって、なんぼでもあるわって死んだ方が幸せじゃない? って」
――プライベートだけじゃなく、仕事でも思い出を作ってほしい、と。
「思い出ってええ思い出だけじゃないから。つらい思い出もあるから。でもそれも思い出やでって。そんな思い出の方が残るから。そんときはきつくても1秒後には思い出になっとうから」
――新卒採用もしているんですね。
「新卒はめっちゃ力入れてます。僕らの規模で、しかもこんな田舎の肉屋で大卒が毎年入る」
――地元の人が大学に行って帰ってきて大浦ミートさんに入るのが多いですか?
「加古川、姫路、加西、高砂とか。今度4月入社の子は高砂ですね」
「人材育成にも力入れてます。今日も早じまいして加古川プラザホテルで研修するんです。そんな肉屋ないでしょ?」
会社として目指しているもの
――会社として目指しているものを教えてください。
「イメージは、地元の人に子どもが大きくなったとき『せっかくやから大浦ミート受けたらええんちゃうん? あそこ行ったら人として成長できるんちゃうん?』って言われるような会社にしたいなあ」
「あと成人になるときに『俺ら大浦ミートの肉食うて大きくなったよなあ」って言うてほしいですね」
休日の過ごし方、加古川の好きなところ
――ここからは大浦社長個人のお話を。休日は何をされてますか?
「子どもを遊びに連れて行く。まだ4歳なんですよ。一昨日の日曜は城崎マリンワールド行きました」
――子どもを連れて家族でちょっと遠出みたいな感じですか?
「ですね。でも電話はジャンジャン鳴るんで、気は休まらへんけど」
――完全なOFFの日ってないんですね。
「ないですね」
――加古川の好きなところを教えてください。
「加古川の好きなところはめちゃくちゃあるね。僕ら加古川、地元で認められるというか愛されるというか、そういう会社にしたいから、地域大好きなんですよ」
「育ててもらったんも加古川、特にこの志方。地域に育ててもらったいう意識がけっこうあるから、加古川全体が好きやね。人が好きやし。ここで生まれたんも縁やしね」
「肉が美味しいところも。肉が地場産業というかねそういうのも好きやし。都会でもないちょうどええ感じが好きですね」
取材を終えて
大浦社長のお話で印象に残ったのが、聞き手の私自身が妻と結婚して加古川に引っ越してきた経緯を伝えたときの「僕らからしたら、ありがたいですねえ、加古川に来ていただいて」というひと言でした。
加古川を心底想っているからこそ、パッとその言葉につながるのだろうなと思いました。
卸として加古川の飲食店を支えていることや大浦社長の考えなど、普段は見えづらい大浦ミートさんの姿が垣間見える取材となりました。
(文責:佐藤正巳)
※写真内の価格などは取材時点のものです。
店舗名 | 大浦ミート本店 |
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住所 | 兵庫県加古川市志方町志方町1306(地図) |
公式サイト | 大浦ミート |
イオン加古川店、稲美町のにじいろふぁ~みん店もあります。