加古川市内にある唯一の酒蔵「岡田本家」が期間限定のスタンプラリーに参加していると知り、直接行ってきました。
試飲もできる直売所があり、冬場は酒蔵見学もできるそうです。岡田本家のことを知っていても意外と行ったことのない方も多いかもしれませんね。
スタンプラリーのこと、酒造りのことを代表の岡田洋一さんに伺いました。
取材日:2020年6月19日 聞き手:かこがわノート編集部まさみ(佐藤正巳)
播磨4酒蔵SAKEスタンプラリー はりまMeets SAKE
――スタンプラリーはいかがでしょうか?
岡田さん「このスタンプラリー、けっこう還元率がいいんですよ。約4500円分買ったら1500円以内のお酒をプレゼントしています」
スタンプはそれぞれの酒蔵で1500円以上のお酒を購入すると押してもらえて、3ヵ所分を集めると4ヵ所目で1500円以内の好きなお酒がもらえます。
岡田さん「4つの酒蔵同士がちょうどいい距離感なんです。
いちばん東が明石の茨木酒造さん、そこからスタートして、うち(岡田本家)に来て、姫路市役所近くの灘菊酒造さん、最後が夢前の壷坂酒造さん。
全部回っても車なら2時間くらい。土日の昼にドライブがてら回る人もいますね。逆に姫路の方から来て最後に茨木さんって人もいます」
4ヵ所の位置関係は下の地図を参考にしてみてください。こうしてみると意外と近くてちょっとお出かけにピッタリですね。
岡田さん「お酒って嗜好品なんで、割と『これが好きや』ってなったらそればかり飲まれるお客さんが多いんですよ。
今回のスタンプラリーで『普段は茨木くんのお酒飲んどるけど、これがあるから初めて来た』みたいにおっしゃる方や、逆にうちに来ていたお客さんが違う蔵に行くってこともあるんで、お客さんの共有ができたっていう面もあるんです。
乗り換えられたら困りますけど笑」
試飲できる直売所。冬場は蔵見学も
――普段からこちらで試飲して購入できるんですね。
岡田さん「そうです。冬場だったら事前に予約してもらえれば、蔵見学もしていただけます。朝は仕込みをしてるので、午後からの案内になりますが。
年末に新酒を待たれてるお客さんが多いので、今年も例年と同じ10月終わりから仕込み始める予定です」
――10月終わりで年末に間に合うんですね。
岡田さん「日本酒は早いと1ヶ月でできあがるんですよ。割と早いんです。
昔は1ヶ月か1ヶ月半くらいで発酵させてから絞って、そこから半年くらい熟成させて出荷が多かったんですけど、今は絞りたてがけっこう人気ですね。
寝かしたらその分味に丸みが出てきますが、今はどちらかというと絞りたてのフレッシュなのを好まれる方が多いですね」
冷蔵ケースに入った日本酒と、その隣の棚に常温の日本酒が置いてあります。
――加古川市内だとこちらの直売所以外ではどこで購入可能でしょうか?
岡田さん「ヤマトヤシキさん、お酒のにしうみさん、加古川卸団地の酒創鹿児蔵さん、などに置いてもらってます」
岡田本家でのイベント
――こちらの蔵で定期的にイベントも開催していると伺いました。
岡田さん「年に2回くらいは岡田本家主催で蔵開きなどのイベントを行ってるんですが、今年はできなかったんです。
春の蔵開きはいつもなら、一般の人も自由に来場いただいて、飲食店さんにも何店舗か入ってもらって、いろいろアテを作ってもらってやってます。
昨年は8月終わりにも蔵でイベントをしたんですが、今年はちょっと難しいかなと思ってます」
今年は4月頭の春の蔵開きも中止となってしまったそうです。酒蔵で日本酒とおつまみで飲める日が早く来てほしいですね。
岡田本家が地域と造る日本酒
――今日は1個スタンプを押してもらいたいと、何か1本いただけたらと思ってきたんですが。
岡田さん「『盛典 県農 純米吟醸生原酒』は、兵庫県立農業高校の生徒が作った山田錦で仕込んだお酒なんですよ。割とフルーティなタイプです」
岡田さん「『県農 花てがみ』は県立農業高校の生徒が花から酵母を採取して一緒に仕込んだお酒なんですよ。甘く感じて微発泡です」
岡田さん「『盛典 純米大吟醸』も県農生が作った山田錦で仕込んでるんですよ。
加古川は山田錦を作るにはそれほど向いてる地域じゃないんですけど、県農生がうまく作ってくれて」
岡田さん「『純米吟醸 神吉』は加古川市やJA兵庫南と共同で造ったお酒なんです。ラベルも加古川をイメージしたデザインです」
岡田さん「岡田本家はもともと自分のところで取れた米で明治時代にスタートしてるので、できるだけ蔵の近くの、地域のものを使って作っていきたいと思ってます」
今回は『盛典 県農 純米吟醸生原酒』を購入して、後日いただきました!
生原酒だからでしょうか、口に入った瞬間に小さく弾ける酸味を感じて驚きました! そのあとに来る甘みと爽やかな後味。ひとくちが楽しい日本酒でした。
加古川に住んでいて、知らなかったのがもったいなかったです。
オシャレなボトルはプレゼントにもいいですね。
新型コロナの影響
――新型コロナの影響はどうでしょうか?
岡田さん「スタンプラリーをきっかけに初めて来たってお客さんが多いので、去年の今の時期と比べても変わらないくらい来てくれてますね。
そのへんはスタンプラリーのおかげかなって思います。
普段は今の時期はイベントが多いので、毎週末のように出かけるんですけど、今年は軒並み中止になって落ち着いてます」
岡田さん「コロナの影響で日本酒に使う山田錦が余ってしまうことも予想されていて、できるだけ山田錦を使ったお酒を消費していこうという機運があるんです。
今回のスタンプラリーの対象の1500円以上っていうのも、この価格だとだいたい山田錦になるということもあります」
岡田本家へのアクセス・駐車場
岡田本家は地図で見るとこのあたり。
良野中の交差点から西に入ってすぐの場所にあります。
良野中の交差点から西側に入っていきます。
少し進むと盛典の看板があります。
看板で左(南方向)に曲がると酒蔵が見えます。
駐車場はちょうど看板の向かい側あたりに広いスペースがあります。観光バスも停められるそうです。
直売所の入り口は広く開いています。入って左手の盛典ののれんがかかったところが直売所です。
直売所前には呼び鈴もあります。
取材を終えて
スタンプラリーのことでお話を伺いたいと連絡した翌日の急な取材でしたが、こころよく応じてくださいました。
取材を通じて、地域と深く関わって日本酒を造っていることを知れてよかったです。県農生の米作り技術も凄い。
手土産やプレゼントにしたいような、お洒落さのあるボトルも印象に残りました。
お酒好きの加古川の方は、ぜひ一度岡田本家の日本酒を飲んでみてほしいです。知らないままは、もったいないです。
またイベントが再開したら、記事でも取り上げていきたいと思います。
購入させていただいた盛典県農コラボのお酒、店で呑んでたらおかわり頼むだろうなってくらい美味しいです。少しずつ楽しませてもらいます♪
(文責:佐藤正巳)
※写真内の価格などは取材時点のものです。
店舗名 | 岡田本家 |
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住所 | 兵庫県加古川市野口町良野1021(地図) |
公式サイト | 合名会社岡田本家 |