イオン加古川店1階にあるお弁当・お惣菜のお店「きちん。」。いつも多種多様なお弁当が並んでいます。
「きちん。」は加古川でレストランや仕出し弁当を手がけている株式会社入船のお店です。「味処いりふね」「ごちそう村」「炭火焼肉いこる家」などの飲食店も経営しています。
今回は「きちん。」イオン加古川店店長の丸小野哲也さんにお話を伺いました。
何気なく食べていたお弁当の裏側をちょっとのぞき見ることができました!
取材日:2020年5月26日 聞き手:かこがわノート編集部まさみ(佐藤正巳)
「きちん。」のメニュー
「きちん。」では定番・季節・別注(予約)の3種類のお弁当・お惣菜を取り扱っています。
人気の定番メニュー
――「きちん。」のメニューについて教えてください!
丸小野さん「オーソドックスなものが一番良く出ます。
からあげ弁当やチキン南蛮弁当などの定番メニューです。
売れ筋としては本当にオーソドックスな惣菜が多いですね。切り干し大根など」
お惣菜は普段はg単位の量り売りで少しずつチョイスできるのも魅力だそうです。今はコロナの影響でパック詰めで並べられています。
丸小野さん「お弁当は3世代にわたって用意させてもらってるんです。
お母さんが買いに来て、お父さんはコレ、子どもはコレ、私はコレ!と家族の分すべてチョイスできるようなバランスでお弁当・お惣菜を揃えてます」
季節メニューはテーマを決めて開発
丸小野さん「季節メニューもあり、春はたけのこごはん、今なら豆ごはん弁当などがあります」
丸小野さん「時期ごとにテーマがあって、次は6月9日から夏メニューになります。
夏メニューでは梅ちりめんごはん、とうもろこしのごはんなどを予定していて、テーマは『食事で免疫力を高める』。
コロナに負けるなと栄養のある免疫力を高めるような素材を使って商品開発しています」
別注弁当(要予約)はイベントで人気
丸小野さん「普段は予約弁当も多くて、毎日どこかからご予約いただいていたんですが、今はコロナの影響でなくなってますね。
祭りでは500個予約弁当が出るときもあります」
――どういったときに予約される方が多いんでしょうか?
丸小野さん「人が集まるようなイベント、祭り、運動会、花見みたいな行楽、棟上げ、学童教室、子どもたちのクリスマス会、老人ホームのイベント、町内会の集まり、ゲートボール、少年野球、サッカーなどで注文いただいてます。
普段買ってくださる方がイベントのときに注文してくださることも多いんです」
予約はお弁当以外にオードブルもあり、身近な人だけで集まってホームパーティーをするときに手作りオードブルを注文される方も多いそうです。
お弁当、オードブルともに前日までの予約が必要です。
手作りオードブルの写真も撮らせていただきました。迫力あって豪華でした! 揚げ物だけじゃないラインナップがうれしいですね。
丸小野さん「1万円以上で配達もしています。加古川市内はもちろん、播磨町や稲美町、高砂、姫路、明石でも魚住あたりまでは対応してます」
当日に手作りしたものを販売し、翌日には持ち越さない
――お弁当やお惣菜の調理について教えてください。
丸小野さん「当日に作ったものを当日に販売しています。店の中で手作りしたものを、朝作ってそれを販売する。次の日には持ち越しません。
残ったものはすべて廃棄になってしまうので、食品ロスを防ぐために製造数を調整するのが難しいですね」
――すべて店内で調理されているんですね。
丸小野さん「どこかから運んできてということはまったくないです。自店店舗内ですべて手作り。それが売りなんです。
朝からひじきや切り干しを全部炊いていくんです。
朝5時半とか6時くらいから始めて、作ったものをお弁当に入れるために冷まして、とやってると4時間くらいかかります。ごはんもその日に炊いてます」
――何度かお弁当を食べていたのに、当日に手作りしていることは知りませんでした……。
丸小野さん「すべて手作りなんで時間がかかってるんです。出来合いのものを袋から盛りつけるんじゃなくて。
ひじきは戻して炊いて。エビフライは前日に仕込んでその日の朝に揚げる。調理から時間が経ってないから美味しいと思います。
レシピがしっかりできているので、味に自信はあります。まずかったらパートナーさん(※スタッフさんのこと)がうるさいです。平気で美味しくないって言いますからね(笑)」
お弁当・お惣菜大賞2020に選ばれたメニュー
スーパーや専門店から応募されたお弁当・お惣菜の中から受賞作を選ぶ、お弁当・お惣菜大賞2020で「きちん。」の応募作も3つ選ばれています。
こちらの「私たちが食べたいお惣菜を集めた弁当」を取材日のお昼ごはんに食べさせていただきました!
巻き寿司のしいたけもお店で炊いて作っているそうで、味がしっかりついています。
朝から戻して炊いているひじきはふっくらして、食べ応えのある食感。エビフライはサクッと薄衣です。
全体的に下味をしっかりしていて、煮物系が特に美味しかったです。根菜に味を染みこませるのは時間をかけないとなかなかできませんよね。
きちん。川柳
丸小野さん「遊び心できちん。川柳っていうのを募集したんですよ。
短い期間だったのにけっこうな方が応募してくださって、59件の中から5月の末に結果発表して、お弁当券を景品としてお渡ししてます。
評判やったんで第2弾も考えてるんです」
金賞を取った川柳はランダムでお弁当の帯になるそうです。
――お店でいろいろな企画をできるんですね。
丸小野さん「できる環境、させてもらえる環境は入船にはありますね。
みんなが案持ち寄って。お弁当・お惣菜対象に出したお弁当も自分たちの好きなものばっかりで投票してもらって、1位2位3位の惣菜を全部詰め込んでしまおうっていうお弁当なんです。
だから名前も『私たちが食べたいお惣菜を集めた弁当』。
お客さんにも楽しんでもらえて、自分たちも楽しんでいけたらと思ってるんです。やっぱりパートナーさんたちに楽しんでもらいたい。自信持ってほしいです」
普段の商品開発もスタッフさんの声をかなり取り入れているそうです。自分が関わって作ったメニューなら愛着が湧きますよね。
取材後に「きちん。」のお弁当・惣菜をいただきました
昼頃の取材だったので、昼食に「きちん。」のお弁当とお惣菜をサービスしていただいて、家で嫁さんといただきました。
記事内で書いた「私たちが食べたいお惣菜を集めた弁当」と「筍と菜の花の和風山椒和え」に加えて、「天丼&もちむぎ麺」「のり弁おむすび」「高菜の漬け物」を2人でシェアしました。
もちむぎ麺はつるつるで暑い日に食べやすそうでした。天丼はいつの間にか嫁さんに食べられてしまったんですが、とても満足していました……。
のり弁おむすびは面白かったです!食べていくうちに「あ、ここにきんぴらごぼう
!」「おかかだ!」と味が変わっていきました。
このおむすびシリーズは他にもありました。
ぜひ食べてほしいと丸小野さんにオススメされた高菜の漬け物はピリ辛でごはんが進みます!とんこつラーメンに載せたい気持ちになりました。
店頭ならみそ汁サーバーがあるのですが、持ち帰りだとパックのみそ汁を付けてくれます。
みそ汁サーバーはイオンで働いている方が昼ごはんに「きちん。」のお弁当を買うときに重宝されているそうです。イオン加古川店だけでも1000人近くが働いていると聞いて驚きました。
取材を終えて
当日に早朝からすべて手作りしていることに驚いたんですが、もうひとつ印象に残ったのが「従業員がみんなきちん。のファン」という話でした。
自分たちの商品に自信と愛着を持っているからこそ、パートやアルバイトで働く人も店が好きになるのだろうと思います。仕事帰りにお弁当を買って帰るスタッフさんもいるそうです。
お客さんや従業員がファンになるような魅力のあるお店でお話を聞くのも楽しかったです。
美味しいお弁当もごちそうさまでした!
最近のテイクアウトブームで影響があったのか伺ったところ「お客さまはきちん。のお弁当を買いに来てくださっているから全然大丈夫です!」とハッキリおっしゃっていました。そんな仕事を自分もしていきたいと背筋が伸びました。
(文責:佐藤正巳)
※写真内の価格などは取材時点のものです。
店舗名 | きちん。イオン加古川店 |
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住所 | 加古川市平岡町新在家615-1 イオン加古川内(地図) |
公式サイト | きちん。 |