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チェントクオーレハリマの佐野裕哉監督に2023シーズンについて伺いました!

いよいよ2023年4月8日土曜日に開幕する関西サッカーリーグ1部。播磨地域をホームタウンに活動するCento Cuore HARIMA(チェントクオーレハリマ)もJFL昇格を目指して戦います。

今回は2023シーズン開幕を前に、佐野裕哉監督にお話を伺いました。監督兼選手としての想いについても聞いてきました!

取材日:3月24日金曜日、志方グラウンドにて

目次

現在のチームの仕上がり・状態について

チェントクオーレハリマの佐野裕哉監督兼選手。2023年3月24日撮影
佐野裕哉監督兼選手。2023年3月24日撮影

佐野裕哉監督「完全に新チームになり、昨年のメンバーが半分くらいいなくなりました。そこで自分たちがやりたいことや、どの選手がどういうものを持っているか、いろんなことをコミュニケーションを見ながらやってきました。

チームが始動してから二ヶ月くらい経ち、開幕まであと二週間なのでそれを詰めていってる段階です」

佐野裕哉監督「チームのコンセプトとしては、まずは相手ボールの時にしっかりボールを自分たちから奪いに行く。下がるんじゃなくて、自分たち発信でしっかりボールを奪いに行く。

攻撃のところはいろんな狙いを持ちながら、それぞれがいろんなことを考えながらプレーする。相手がこういう風にくるから、こうしたらどうか? こういう風にするからにこうなるよねってところを考えながらプレーする。

そういう部分をみんなで話しながらコミュニケーション取っていく」

佐野裕哉監督「こうやって練習後を見ていても、それぞれがいろんな話をグループになってしている。練習後にあのときどうだった、このときどうだった、と。

誰か一人が俺はいいやってなるわけじゃなく、みんなそれぞれポジションが近い選手たちが話し合っている。これはやっぱり試合に勝つためにどうしたらいいか。

刻一刻と流れる中でサッカーはプレーがパって止まるわけじゃないので、その中でそれぞれ考えていることを合わせていく」

佐野裕哉監督「練習試合でもいいところも出たし、悪いところも出たっていう段階なので、現時点では悪いところをひとつずつ消していってます」

今シーズンの目標

佐野裕哉監督「もちろんJFL昇格ですね」

2023シーズンのチームについて

練習後に自主的に話し合うチェントクオーレハリマの選手たち。2023年3月24日撮影
練習後に自主的に話し合う選手たち。2023年3月24日撮影

佐野裕哉監督「真面目な選手が多い。真面目っていい意味も悪い意味もあると思うんですよね。

サッカーでまじめ過ぎちゃうとそれだけになってしまう、言われたことだけになってしまう。

自分はこれを言われたからこれだけやろう、サッカーで言うとそういうのってあまり良くなくて、やっぱり自分で考えなきゃならない。

監督から・チームからこういう風に言われている、こういう風にやろうと思っていても、相手の状況はどうか、ボールの持ち方・相手のレベルはどうか。それは開始何分、終わり間際でもやり方を変えていかなきゃならない。

それに対して指示をずっと待っていた方がいいのか。自分で判断して自分で考えて、今はこうした方がいいよな、ということを考えられる。そういうことがまだ足りないかなって思う」

佐野裕哉監督「時間が刻一刻と流れているし、相手もやり方が毎回違うわけだし、対戦相手が変われば自分たちがやろうとしたことがうまくはまらない、練習してきたことがなかなかうまくいかない。

じゃその時に監督どうしたらいいですかって、11人がそうなったらやっぱりうまくいかない。

中でやってる感覚はどうなのか。それで解決方法はこうした方がいいんじゃないか、と。

臨機応変さだったり、あの時はこうした方がいいよなっていう選手がもっと出てきてくれるとまた違う、変化が出てくると思います」

佐野裕哉監督「成長度合いも去年はある程度プレーが分かっている選手が多かったので、その中でどういうことをしましょうかっていう感じでした。

今年に関しては、もっとできるだろう、もっとこんなことしていいよって。もっともっと欲を出してほしい、そうしたらもっと上に行けるのにっていう選手が何人かいるので、そういう選手たちが成長していけばゲームの中でも、この前の試合よりいいなって発見が出てきて、見てる人も面白いかなと思いますね」

今シーズンの選手登録への想いは?

佐野裕哉さん
2023年3月24日撮影

佐野裕哉監督「やっぱりそこの部分だと思います。経験ある選手が抜けて大学生とか若い選手が増えたので、やっぱり真面目な選手が多くなった。

練習・トレーニングでこの状況のときはこうって言ったけどその局面じゃない、同じような局面だけど敵がいる場所やプレーによって変わる。

そこの臨機応変さみたいなことを、自分が入ることで表現できたらなと思っています。

練習では試合に出るメンバーの相手に入って、ちょっと違うような動きをして困らせてみたり。

今度は試合メンバーの中に入った時に自分が言ったことと違うようなことをしてみたり。

これは中に入らないとできないと思うので」

――練習で一緒にフィールドに立って参加したいというのが一番大きかった感じですか? 試合に出ることはあまり考えていない?

佐野裕哉監督「そこもすごい難しくて。やっぱり自分を常に客観視しなきゃいけない。

監督として自分をプレイヤーとして見る。一つの戦力として自分を見なきゃいけない。

そこに入った方がいいのか入らない方がいいのか。

入った場合どういう風になりそうなのか。監督としての目で、佐野裕哉っていうプレイヤーを見ないといけない。

自分自身はサッカーを一番楽しみたいと選手として常に思ってたので、やってみてサッカー小僧感が抜けきらないなって思いますね。

やってみたら楽しいし。むしろうまく行かないことの方が楽しい。

ベストは選手達から『いらないよ』って言われるのが一番ですね。『もうおっさんは見ててください』と」

ホームゲームが播磨地域(日岡山公園や高砂市陸上競技場)で多いのはどう捉えていますか?

前身チーム、バンディオンセ加古川のマークが入ったグラウンド横の倉庫。2023年3月24日撮影
前身チーム、バンディオンセ加古川のマークが入ったグラウンド横の倉庫。2023年3月24日撮影

佐野裕哉監督「去年はホームが淡路みたいな状況でした(日岡山公園でのゲームは2試合のみ)。

やっぱり本当に応援したい、どこにでもついていきますみたいな人はJリーグぐらいまでいかないと少ない。J3・JFLのレベルでもアウェイに行ったらやっぱり少ない。

J1クラスまで行ってやっと何千人っていう人がアウェイでも駆けつける。それをこういうレベルでは難しい。ホームでもなかなか難しい。

やっぱり加古川・高砂で試合ができるのはみんなに観てもらう、知ってもらうすごい良い機会です。これは本当にありがたい。

それと同時に人に見られている、応援してもらえていることも大きい。

やっぱり何でもそうですけど、勝たないと、感動させられないと人は応援しないし、応援したくならない。

どうやったら感動させられるか。足下だけのプレーで『ああ、あの人うまいね』じゃ感動しない。

ワールドカップでも三笘がああいうところまでスライディングして折り返す。それが得点につながる。

ああいうところに人は感動すると思います。

野球のWBCでもヌートバーや大谷が必死な姿を見せて、あんなガッツポーズをするから皆が沸くわけで。ホームランも三振もすごいけど、人が感動するところっていうのは違う。

そういう意味ではやっぱりおとなしい選手が多いので、その辺は誰かが起爆剤になってほしい。

乗った時はいいと思うんですが、その波に乗るポイントが作れるかどうか。

なんでもそうですけど調子いい時は誰でもいい。そうじゃないときにどういうことができるのか、どれだけ考えられるか、どれだけ冷静になれるか。

その冷静さの中にやっぱり熱さを持ってる。

そのあたりは一応自分も上のリーグでやってたので、ピッチ内に入って見せられるかなと思います。

いろいろ戦術的なことはトレーニングでやるけど、試合になったら大事なところはそこじゃないよ、と。

もちろんチームのルール・規則はあるけど、もっと大事なところは球際のところでスライディングしたり、ボールがラインを割るまで追っかけたり、味方のために走って戻ったり。それが何かにつながって勝利する。

そういうことを体現できたらと思います。限られた時間の中で選手として入って、それを見て若い選手たちが何か感じてくれればいいし、逆に俺はこういうことをやらなきゃいけないんだって思ってほしい。

ここからはもうそういう作業になっていくと思う。あと二週間なので。ここからはもうほんと魂のところだと思う」

メンバーの盛り上がりはどうですか?

佐野裕哉監督「感情を表に出すような選手がなかなか少ないので。雰囲気は悪くないんですけど。

開幕までまだ二週間、まだ大学生の選手もいるので、開幕をリアルに感じてない。

だからそこを経験ある選手たちは、どれぐらい危機感を持って『一試合でも負けたらもう駄目だ』って想いができるかどうか。その危機感はやっぱり経験ある選手たちが伝えていくことだと思うし、もっともっと緊張感のあるトレーニングをしていかないといけないと思います。

それを自分が怒ったほうがいいのか、みんながそういう風になっていくのを待つ。誰かが火付け役になって。

こっちからいくら発信しても、みんなが火つかないと。

『負けたらもう終わりなんだ』とリアルに感じられるようになってほしい」

加古川市民のみなさんに向けてメッセージをお願いします

佐野裕哉さん。2023年3月24日撮影
2023年3月24日撮影

佐野裕哉監督「もともと多分サッカー・スポーツの文化っていうのがあまりなかった土地だとは思うんですけど、その中で自分たちがやってる意味ってなんだろうかって考えると、やっぱりスポーツで僕たちは加古川や播磨の地域を盛り上げていきたい。

そのためにはどうやったら周囲の人たちを巻き込めるか。

いろんなところで知ってもらう。イベントで知ってもらうのもそう。そういうところに顔出して積極的にこっちからもコミュニケーションをとらないといけない。そうすると『こんなやついるんだ』とか。

入り方は何でもいいんですよね。『あ、この人かっこいいじゃん』とか。まず知ってもらうこと。

僕たち自身もいろんなところに顔を出して、SNSで発信をしたり、サッカー教室をしたり、そういうところで知ってもらって、『あ、じゃあこういう選手がいるならちょっと応援してみよう』で来てもらったり、Youtubeで見てもらったり。

ちょっとしたきっかけだと思うんですよね。

そのきっかけを今作ってる段階で。そして来た人が『もう一回応援したいって思うチーム・人』ってどういうものなのか。

毎試合毎試合を重ねて、今日は相手のプレスもきつくないし、余裕でプレーできるでしょってプレーをして、それを初めて見に来た人がどう思うか。もう一回行きたいと思うか。

何かのきっかけで来てもらった・観てもらった試合、僕たちを知ってもらった人にもう一回って思わせるのが、僕たちの力だと思います。

何のきっかけでもいいから知ってもらって、常に自分たちが良いゲームができる、感動させられるゲームができる準備をしておくのが僕たちの仕事だと思うんですよ。

誰が見てくれてるかわからない。ひょっとするとその人は十年、二十年応援してくれる人かもしれない。

だからぜひ何の機会でも知ってもらって、SNSで見たり、練習を観に来たり、試合に来たり、一回でも僕たちがどういう風なことをやってるか見てもらいたいです。

その時にどんな形で恩返しができるか分からないですけど、ここを盛り上げられるように、その準備を常に自分たちがしておくのでぜひ来ていただきたいなと思います」

2023シーズンは足を運びやすい開催地での試合が多い。

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番外編:播磨地域で好きな場所があれば教えてください

佐野裕哉監督「加古川は黒田官兵衛とゆかりがあると聞きました。黒田官兵衛の妻、てるが志方城主の娘で。歴史が好きなので、姫路城だけは行きました。

コロナ禍で外出があまりできなかったので、逆にこんなのあるよ、こんな美味しいお店があるよっていうのは教えてほしいですね」

編集後記

小雨の残る午前の練習後にお時間をいただいて、グラウンドでお話を伺いました。

監督としては2年目となるシーズン開幕前、静かな闘志を感じるインタビューでした。

翌25日に高砂市陸上競技場で行われたAS.Laranja Kyotoとの練習試合では、8番 佐野裕哉選手として試合出場されていました。関西サッカーリーグでの活躍も楽しみです。

4月8日の開幕ホームゲームは淡路島での一斉開催ですが、5月13日土曜日は日岡山公園でホームゲームが予定されています!

JFL昇格を目指して、一緒に応援していきましょう!

https://twitter.com/CentoCuore/status/1639480257681182721
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