加古川に架かる新しい橋「鹿児之橋(かこのはし)」。
名前が決まったことは以前お伝えしましたが、工事はどこまで進んでいるんだろう? と気になって河川敷まで見に行ってきました。

今、川の上に橋を送り出している最中です。
あわせて、河川敷を使っている方に大事なお知らせも。マラソンコースの通行止めは、左岸と右岸で期間が違います。

オレンジの鉄桁の正体は「送出し架設工法」

現場でまず目に入るのが、オレンジ色の大きな鉄の桁。「IHI」の文字が入っています。
コンクリートの橋桁の先から、この鉄桁が川に向かってぐいっと突き出していて、明らかに何かの途中という雰囲気。

これ、何をしているのか加古川市のホームページを見てみたら、答えが書いてありました。
加古川の流水部(川が流れている部分)の5径間は、「送出し架設工法」という方法で工事が進められています。
ざっくり言うと、左岸(加古川町中津側)で橋桁を組み立てて、右岸(東神吉町出河原側)に向かって少しずつ押し出していくというやり方。橋を横から運ぶのではなく、岸から川へ「伸ばしていく」イメージですね。
先頭に付いているオレンジの鉄桁は、その先導役。これが対岸に向かって進んでいきます。
市の資料では、2026年5月から送出し架設工法を実施中です。

ちなみに左岸側の2径間は、これとは別の「クレーンベント架設工法」で2026年2月から工事が始まっていたそうです。
河川敷の足場のある部分と加古川の川の上で工法が変わる形ですね。
送出し架設工法とは
橋桁を少しずつ前に押し出しながら架設する工法で、桁を安全な場所で組めるため、工事の効率や安全性に優れています。
加古川流水部の5径間は、クレーンやベントを設置できないため、送出し架設工法を採用しています。
工法のイメージ
1 左岸側で橋桁を少しずつ組み立てる。
2 組み立てた桁を滑らせて(ローラーなどで)前に押し出す。
3 桁が橋脚に達したら支え、次の桁を組み立てて再度押し出す。
4 これを繰り返して右岸側に桁を到達させる。
加古川市のホームページより
川の中の橋脚は、桁を待っている状態

川の中に目をやると、コンクリートの橋脚が並んで立っています。
まだ桁は架かっていません。ここに向かって橋が送り出されて、つながったら一気に「橋」らしい姿になりそうです。
河川敷の通行止め、左岸と右岸で期間が違います

ここからは実用的なお知らせです。
工事にともなって、加古川河川敷マラソンコースが通行止めになっています。左岸と右岸で期間が違うので注意が必要です。
まずは場所から。加古川市が公開している「工事影響範囲」の図がこちらです。

加古川バイパスの北側、水管橋との間のエリアですね。左岸が加古川町中津、右岸が東神吉町出河原です。右岸・左岸は川の上流から下流を見た方向です。
期間はこうなっています。
| 場所 | 通行止め期間 |
|---|---|
| 左岸側(加古川町中津) | 令和7年11月〜令和11年3月 |
| 右岸側(東神吉町出河原) | 令和7年11月〜令和8年3月 令和8年11月〜令和11年3月 |
つまり左岸側はずっと通行止め。一方の右岸側は、いま(2026年8月)は通行止めの期間から外れていますが、令和8年(2026年)11月からまた通行止めになる予定です。
工事の順番と通行止め期間をまとめた工程表も公開されています。

いま進んでいる送出し架設のあとは、令和10年ごろから床版等設置工事に移る流れ。赤い帯が通行止めの期間で、左岸と右岸で長さが違うのがひと目でわかります。

現地の看板もチェックしてきました。左岸側の「迂回のお願い」には、令和7年11月24日〜令和11年3月15日(予定)の終日通行止めと書かれています。
「7月24日より完全通行止」という黄色い看板もありました。送り出しの工事が上にかかるタイミングですね。
看板の地図には歩行者用の迂回路と自転車用の迂回路がそれぞれ案内されていて、どちらも日岡山公園の側へ回るルートになっています。

なお市のお知らせによると、工事期間中は河川敷が工事ヤードとして使われるため、河川敷の上下流の行き来も制限されるとのこと。
位置図には「河川敷駐車場は利用可能です」との注記もありました。車で河川敷まで行くこと自体はできるようです。
ランニング・サイクリング・お散歩で河川敷を使っている方は、出かける前に迂回路を確認しておくと安心です。

今年も加古川マラソン大会は中止され、加古川リレーマラソン大会の代替開催が決まっていますが、通行止め期間を見ると令和9年、令和10年もマラソン大会は中止になりそうですね。

工事の概要

現地の看板と市の資料から、まとめておきます。
| 事業名 | 神吉中津線外3線道路改良事業 |
| 工事名 | 神吉中津線橋梁上部工事 |
| 発注者 | 加古川市役所 建設部 道路建設課 |
| 施工者 | IHI・日車特定建設工事共同企業体 |
| 工期 | 令和11年3月15日まで |
| 作業時間 | 8:00〜17:00 |
| 完成予定 | 令和13年(2031年) |
看板には「この工事は、週休2日制対象工事です」との記載もあり、土曜・日曜は工事を休止しているそうです。取材した日曜日も、現場は静かでした。
また看板は日本語のほか、英語・中国語・韓国語でも「新しい橋をつくる工事を行っています」と書かれていました。
そもそも、なんで鹿児之橋を架けるの?
最後に、鹿児之橋ができると何が変わるのか。
加古川市のホームページによると、この事業は加古川駅を中心とした骨格道路形成の一環で、中環状線にあたる位置づけ。目的は「東西方向の交通機能を強化し、通過交通による渋滞を解消する」こととされています。
加古川バイパスの北側に、川を渡る新しいルートがもう1本できるということですね。完成は令和13年(2031年)の予定なのでまだ少し先ですが、このあたりの車の流れはずいぶん変わりそうです。
橋の名前の由来など、鹿児之橋そのものについてはこちらの記事でまとめています。
送り出しが進んで川の上でつながる頃に、また見に行ってきます。


